「佐賀水ネット」は、2003年に琵琶湖・淀川流域で開催された第3回世界水フォーラムを側面から盛り上げるため開催した「佐賀水会議『低平地の水環境に関するフォーラム in 佐賀』」の中で設立されました。佐賀の定平地クリークや山麓のため池など、地域ごとのテーマに取り組む水関連団体などの点と点の活動が線で結ばれ、やがて面の活動となることを目指し、緩やかにつながる組織として、その役割を果たしてきました。
2016年、佐賀県内の一級河川、嘉瀬川、六角川、松浦川の管理が国土交通省武雄河川事務所に統一されたのを機に、「佐賀水ネット」を再構築しようという機運が高まり、このたび皆さんへ参加を呼び掛けることになりました。
設立当初の活動目標をベースにWEBサイトやSNSなどの情報ネットワークを活用し、参加募集や会員の皆さんの活動紹介、年に数回のワークショップ開催など、九州はもとより全国で活動している団体との交流もサポートしてまいります。「水」に関心のある、または関わる皆さん、ぜひお気軽にご参加ください。
佐賀水ネット全体代表
さが水ものがたり館
荒牧軍治
【国土交通省】わたしたちも佐賀水ネットの皆様と連携していきます。
みなさんと水辺の未来を創造したい
今からおよそ400年前、「治水・利水の神様」として尊敬される成富兵庫茂安公は、地域を水害から守り、佐賀を豊かにするために「千栗の堤防」、「蛤水道」、「石井樋」等100を越える治水・利水システムを作りあげました。 その中には、現在でも機能しているものが多くあります。 このように、佐賀には地域を豊かにし、元気にするため、昔から多くの方々が尽力してきた歴史があります。
近年、全国各地で激甚な災害が頻発しており、川は「暴れ川」として怖い一面も持っていますが、我々には恵みも与えてくれます。 その一つが豊かな水辺の環境です。 川辺に生息する多様な動植物やオープンスペースから構成される自然環境の価値、子供たちの人格形成にも効果があるといわれる自然体験や環境教育の場としての価値、癒やしの空間としての価値など、川はさまざまな価値を持っています。
川の価値を再発見し、水辺の未来を考える人たちが出会えば、たくさんのアイデアとアクションが生まれ、そこから新しい水辺の未来が生まれます。
「佐賀水ネット」は水に関するさまざまな団体が、新たな協力体制を構築できる可能性が広がる重要な「つながりの場」です。 国土交通省は、2003年の「佐賀水ネット」の立ち上げから参加しており、皆さんとの連携・交流を進めることにより、魅力ある水辺の未来を創造し、次世代につないでいきたいと考えております。
みんなで水辺に集い、新しい価値を見いだしましょう。
国土交通省 武雄河川事務所長
【佐賀県】わたしたちも佐賀水ネットの皆様と連携していきます。
「森川海はひとつ」という思いを「人がつなぐ」
雨が降って森に蓄えられた水は、森林で育まれた栄養分と一緒に川へと流れ込み、海へと注がれます。 そして海の水は蒸発し、また雨となって森を潤します。
森から川に流れ込んだ水は、生活用水や農業等に利用されるとともに、川から海へ注がれた水は、魚介類や海苔などの海産物を育むなど、私たちの暮らしは森川海の恩恵によって支えられています。
一方、川は時折私たちの脅威になることも忘れてはなりません。平成29年7月の九州北部豪雨災害では、豪雨の爪跡が痛々しい山肌、土砂で埋まった川、そして大量の流木等で覆われた有明海を目の当たりにし、改めて自然の恐さと森川海の適切な管理の重要性など大切な気づきを得ました。
そこで、この災害を契機に、佐賀県では森川海のつながりや管理の重要性などについて「森川海はひとつ」という思いを広げ、 県民一人一人の意識醸成や行動につなげていく「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」に取り組んでいます。
川は森と海をつなぐ重要な役割を担い、私たちの暮らしと密接につながっており、川を知り、川に親しむことによって森と海とのつながりを感じ、森川海を大切にする気持ちと行動を広げたいと考えています。
こうした取組を進めるにあたっては、「佐賀水ネット」の皆さんと連携・交流を深め、ともに佐賀の美しい水と緑に囲まれた暮らしを未来へつないでいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。